東京事変「群青日和」

いやはや、何というか、久々にカッコイイ椎名林檎が聴けました。
ここ数作おかしな大正ロマン方面に傾倒しすぎ「お前どこ行くのよ」感が強かった林檎ですが、ここに来て猛烈に格好良いシングルをリリースしてくれました。
古き良きパンクの匂いを漂わせる、アップテンポでポップながらどこかトンがったような感じがする「群青日和」は林檎のヒステリックな巻き舌Voの魅力を十二分に引き出しているし、70年代チックな無駄にゴージャスな雰囲気を感じさせつつ、ピアノとガナるVoが格好良いジャジーな秀曲「その淑女ふしだらにつき」も格好良い。男性Voと絡みつつしっとりとした雰囲気で最後まで聞かせてくれる「顔」も捨てがたい。
というか、今回の「群青日和」は詩が詩的でいいですね。「泣きたい気持ちは連なって冬に雨をもたらしている」なんて歌詞を林檎のあの声で歌われるとたまらないです。ヒステリックで、どこか狂気を感じさせつつ、その狂気は切なさを伴って心に深く留まる。
つーか、狙いすぎなぐらい狙っておいて、それがカッチリはまっている、というのが林檎の魅力なので、こういう方向性に行くのであれば、私は100%支持します。