結局のところ
伊藤浩一のW-ZERO3応援団
W-ZERO3のリリースは、日本市場にTreo登場のチャンスを残してくれた、と考えています。スマートフォンが盛り上がり、ユーザーが好きなOSを選択できる時代がくる可能性があります。W-ZERO3は残念ながらWindows Mobileではありますが、暖かい目で見ていただけると嬉しいです。
正直な話、W-ZERO3は「それ一台で大満足」な機種ではないと思います。
まだまだ甘い部分がたくさんあります。というか、ハードウェア的に制限がかかっている部分で不自由(大きさや拡張性)を感じるところが多いです。
また、あくまでPHSですから電波過疎地は結構ありますし、街中でも不意につかえない場所というのが結構有ったりします。
しかし、W-ZERO3は日本市場にスマートフォンが本格参入するかどうかの試金石だといえると思います。
これまでの携帯電話キャリアの出していたスマートフォンは色々とソフトウェア的に制限がかかっているものが多く、そのままではアプリの追加も出来なかったり、通信が定額の枠の外だったりとあまり有効活用できるものが少なかったように思います。
まぁ、それでも単体で遊ぶ分には「PDA的」な使い方が出来て便利だったように思います。(私は一度も使ったことが無いのですが)
今回のZERO3は恐らく日本で初の「ソフトウェア的には制限がかかってない(と思われる)」スマートフォンになるのかなと思います。
これが売れればWILLCOMに色々な海外のメーカーの参入も考えられますし、携帯メーカーも黙っていないのではないかと。
逆にこれが売れなければ「やっぱりスマートフォンは駄目だ」という事になるのかなと。
その際多分「じゃぁ次はPalmでやってみよう」とは100%ならないだろうなと思っています。
多分携帯メーカーにしてみればウィルコムがスマートフォンでこけた、という事で「やっぱり安全な普通の携帯と申し訳程度の繋ぎ放題で充分だ」と考えるのではないかと思います。
つまり、今となっては「PocketPCだPalmだザウルスだ」だの「MSだPalmだシャープだ」とこだわってお互いに反目しあいけなしあい、貶めあう行為は、スマートフォンという新たな市場の可能性を狭めるだけで、それはつまり自分自身や同胞の首をしめることに他ならないと言えます。
個人的にはウィルコムのスマートフォン投入はまだまだ夢の入り口程度で、本当に楽しみなのは国内携帯メーカーの参入だったりします。
TreoやP50といった非常に魅力的なデバイスが、携帯電話の高速で安定した回線で利用可能になり、もう電話として使えないスマートフォンを海外から輸入しなくても住む時代が来る。
そんな日を夢見てZERO3を盛り上げていきたいと思っています。