ヴィレッジ
見ました。
ここしばらく、くだらんとかうんこだとかなんとかそういった感想しか書いてないような気がするので久々にまじめなふりして書いてみます。
シックスセンスで世間に大きな衝撃を与え、サインで(ある意味)それ以上の衝撃を与えたM・ナイト・シャマラン監督の映画です。
某所からのこの映画紹介の引用
「シックス・センス」「サイン」のM・ナイト・シャマラン監督が、周囲から隔絶された小さな村を舞台に描く禁断のミステリー・スリラー。楽園のような共同体を守っていた奇妙な掟が破られたとき、村を戦慄の恐怖が襲う。主演は「サイン」のホアキン・フェニックスと名匠ロン・ハワード監督の娘でもあるハリウッド注目の新星ブライス・ダラス・ハワード。
1897年、ペンシルヴェニア州。深い森に囲まれ、外の世界から完全に孤立したひとつの小さな村があった。村人は大きな家族のように強い絆で結ばれ、ユートピアのような理想の共同体を築いている。この村には昔から奇妙な3つの掟が存在し、人々はそれを忠実に守ってきた。しかし、掟を破るとどうなるかは、誰も知らなかった。そんなある日、盲目の少女アイヴィーの最愛の恋人ルシアスが刺され大ケガを負ってしまう。アイヴィーはルシアスの命を救うため、村の外に出ることを決意する。しかし、彼女が掟を破り森に足を踏み入れたとき、恐ろしい真実が明らかとなるのだった。
最初に言っておきますが、こんな話ではありません(w
というか、大筋であっていますが、この話はホラーでもなく、ラブストーリーでもないと思います。個人的にはブラックユーモアの類に入れたい映画ですね。
ええと、舞台はいつ頃でしょう一昔前のペンシルバニアっぽい雰囲気とでも言いましょうか。男は野良仕事に精を出し、かかと付近まであるスカートをはいて女は家事、夜は暖炉に集まって一家団欒とか、そういった感じの、電気もガスも、インターネットも無い外界から隔絶された村が舞台です。
この村は村人全員が家族のようなつながりを持って幸せに暮らしていますが、3つの奇妙な掟がありました。「森に入ってはならない、不吉な赤い色を封印せよ、警告の鐘に注意せよ」全ては森に住むといわれる恐ろしいある存在と共存するためのものでした。
村に無い医薬品を求めて外の街へ行きたがる若者や、それを諌める年長者達、そして時折姿を見せる森の恐ろしい存在、という感じの、少し(かなり)地味な感じで話は進みます。
話は知恵遅れの若者ノア・パーシーがあこがれる女性、アイヴィー・ウォーカーがそのノアの友達ルシアス・ハントと結婚を決めたことから少し展開し始めます。
嫉妬に狂ったノア・パーシーがルシアス・ハントを刺し、大怪我を負わせ、彼を助けるためにアイヴィー・ウォーカーが森を抜けて町へ行き、薬品を手に入れることを決意します。
その前に村の責任者からこの村の秘密を聞かされるのですが・・・
以下ネタバレ
実はこの村というのは、かつて町で何らかの事件に遭い、大切なものを失った人たちが集まって、理想郷を夢見て外界から隔離した村を作って生活していた場だったのです。アイヴィーの祖父は商才があり、大金持ちでしたら、町で銃で撃たれて死んだそうです。
森に住む恐ろしい存在というのは、何も知らない家族(子供達)が町へいって再び同じ目にあわないために、大人たちが作った話で、時折見せるその姿も自作自演でした。
で、そのことを知った上でアイヴィーは森に入るのですが、途中でその恐ろしい存在に襲われます。
なんとか相手を倒して町に出たアイヴィーですが、そこにはさらに驚愕の事実が・・・という話です。このあたりの驚愕の事実は、これまた地味に演出されているのでよく見てないと見逃す可能性がありますので注意。
実は舞台は1897年などではなく現代で、村及びその周辺の森自体がアイヴィーの祖父の遺産で私有地として管理/警備されている、まさに人工的に作り出された楽園だったというオチです。
で、薬を手に入れて村に帰るのですが、実は森でアイヴィーを襲ったアレは、大人達が作った衣装をノアが見つけ、持ち出してアイヴィーを襲ったのですが、アイヴィーはそんなことは知らず、やはり何かが森に住んでいるんだと考え、村に戻ってきた後も、皆村に住みつづけることが出来てめでたしめでたし、という話です。
私自身はこの話で面白いなぁと思ったのは、何かを失った人たちがそれ以上失いたくないために作った楽園で、外界との交流を絶って生きているために、さらに色々な大切なものを失う選択(病気や怪我で子供を亡くすとか)を迫られていたという矛盾だとか、未知なる物に対する、人の過剰なまでの期待や羨望(町に行けばノアを治す薬があるかもしれない、等(そんな薬は現在でも存在しない))と、事実を知るものの冷めた対応(んなもんねーよ、バカじゃねーの)とか、そのあたりが面白かったです。
ここ最近ろくな映画見てなかったので、結構まともに見れて面白い映画でした。