ただの言葉遊び

　時は問題を解決するが、その流れは加害者と被害者では圧倒的に異なるもので、加害者の「もう充分」は往々にして被害者にとってはまったく充分ではない。
　中途半端な時の経過はまだ傷跡生々しい被害者の前に罪の意識を消し去った加害者を現し、己の言ったこと行ったこと交わした取り決めを忘れ、図々しく振舞う醜い人間の性を見せつける。人は忘れることで救われるが、己の罪を忘れた輩は人と呼ぶに値しない。
　嫉妬に狂い人様に的外れな感情をぶちまけ散々迷惑をかけた愚か者が色恋について訳知り顔に語っているのを見て失笑を禁じえない。
　その愚者と同様に私もまだまだ修行が足りないようだ。